こんにちは。バイクログ運営者のナツメです。
アメリカンバイクにおすすめのフルフェイスヘルメットを探していると、「アメリカンバイクに本当に似合うヘルメットはどれ?」「フルフェイスってアメリカンだとダサく見えないかな?」「ハーレー向けのおすすめブランドは?」「街乗りもツーリングも両方こなせるモデルってある?」みたいな悩みが次々出てきますよね。安全性はしっかり確保したいけど、アメリカンらしい雰囲気は崩したくないですし、ヘルメットは安い買い物でもないので、どうしても慎重になってしまうと思います。
実際、アメリカンバイクに合うフルフェイスヘルメットや、アメリカンヘルメットのおすすめブランド、フルフェイスはダサいのかどうか、といったテーマは検索でもよく見られますし、ツーリング先でもよく話題になります。あなたも「アメリカンバイクに似合うフルフェイス」「アメリカンヘルメットの選び方」「ハーレーに合うフルフェイス」あたりを何度も検索しては、結局どれが正解なのか分からずモヤモヤしている途中かもしれません。ショップで試着してみたものの、「これ、本当に自分とバイクに合っているのかな…」と自信が持てず、そのまま見送った経験がある人もきっと多いはずです。
この記事では、そんなモヤモヤを少しでもスッキリさせるために、アメリカンバイクに似合うフルフェイスヘルメットの選び方から、ハーレーにも合わせやすいおすすめモデル、ブランドごとの特徴、ツーリングや雨の日に強いタイプまで、私なりの経験と知識をまとめてお伝えします。具体的なモデル名や特徴を挙げながら、「どんなスタイルのアメリカンに、どのタイプのフルフェイスが合いやすいのか」をイメージしやすいように解説していくので、読み終わるころには「自分のアメリカンにはこのフルフェイスが一番しっくりくるかも」と、かなり絞り込めるようになっているはずです。
アメリカンバイクにおすすめのフルフェイスヘルメット

ここではまず、アメリカンバイクにフルフェイスヘルメットを合わせるときの考え方と、失敗しない選び方の軸を整理していきます。見た目の相性はもちろんですが、「安全規格」「フィット感・重量」「スタイル(クラシック〜スポーツ)」あたりを押さえておくと、自分のアメリカンに合う一個がかなり見つけやすくなります。なんとなく見た目だけで選んでしまいがちな部分ですが、ここを一度しっかり整理しておくと、ネットでスペック表や写真を見ただけでも、かなり絞り込みやすくなりますよ。
- アメリカンバイクに似合うヘルメットの選び方
- ヘルメットの選び方と安全性
- ハーレーにおすすめのフルフェイスモデル
- レトロフルフェイスでアメリカン映え
- アメリカンバイクに似合うおすすめブランド
アメリカンバイクに似合うヘルメットの選び方

アメリカンバイクにフルフェイスを合わせるとき、一番大事なのは「安全性より前に見た目を優先する」という意味ではなく、まず自分のバイクのキャラクターを言語化しておくことです。ロー&ロングのクラシッククルーザーなのか、クラブスタイルでフロントが立ち気味なのか、ネオクラ系のモダンカスタムなのか。ここがふわっとしたままヘルメットを選ぶと、いざ被ったときに「なんかイメージと違う…」となりやすいんですよね。
たとえば、ロー&ロングなクルーザーなら、全体のラインがゆるやかで低く見えるので、ヘルメットも丸みのあるクラシックシルエットのほうが自然に溶け込みます。逆に、クラブスタイルやネオクラ系でフロントが高く、ハンドルもやや高めな車体なら、エッジの立ったシャープなシルエットのフルフェイスのほうが「戦闘的な雰囲気」がマッチしやすいです。車体側が「ゆったり・どっしり」なのに、ヘルメットだけ最新レーサー系グラフィック全開だと、どうしてもヘルメットだけ浮いて見えてしまうので要注意です。
もうひとつ意識したいのが、ヘルメットの「ボリューム感」です。アメリカンバイクはタンクやフェンダーが大きくて重厚なので、ヘルメットが小さすぎると頭だけおもちゃっぽく見えがちです。写真を撮るとよく分かるのですが、バイクとライダー、ヘルメットの大きさのバランスが崩れていると、どうしても全体がアンバランスに感じられてしまいます。ある程度シェルサイズに存在感があるモデルを選ぶと、全身のバランスが取りやすくなりますし、「アメリカンらしい迫力」の一部としてヘルメットを取り込めます。
とくに身長が高めの人や、シーシーバーやサイドバッグなどで後ろ側にボリュームがあるカスタムをしている場合は、ヘルメットにある程度の大きさがあったほうが、シルエットがきれいにまとまりやすいです。反対に、車体がコンパクトでライダーの身長も低めなら、あまり巨大なシェルだと「ヘルメットだけが歩いている」ような印象になってしまうので、ワンサイズ小ぶりなモデルを狙うなど、体格とのバランスも意識したいところです。
色選びもかなり重要なポイントです。ブラックやマットブラック、ガンメタなどのダーク系は、どんなアメリカンとも合わせやすい鉄板カラーで、まず外すことはほとんどありません。クロームパーツ多めの車体にはグロスブラックやガンメタ、ブラックアウトされた車体にはマットブラック、といった具合に、艶の有無を合わせてあげるとまとまりが出ます。一方で、タンクやフェンダーに明るめのソリッドカラーが入っている車体なら、ヘルメット側にも同系色のラインやロゴが少し入っているモデルを選ぶと、「全身で一つのデザイン」として統一感が出てきます。
逆に、車体がかなり色物(キャンディカラー、フレイムス、ピンストライプ多めなど)の場合は、ヘルメット側はあえてシンプルな単色に振ることで、全体がうるさくなりすぎないようにするのも一つのテクニックです。タンクとヘルメット両方に派手なグラフィックが入っていると、どこを見せたいのか分からなくなってしまうので、「どちらか片方を主役にする」という意識を持つと失敗しにくいですよ。
さらに一歩踏み込むなら、「メッキかマットか」「レザーかテキスタイルか」という質感の相性も大事です。クロームパーツが光るクラシックアメリカンなら、グロス仕上げ+シンプルロゴのフルフェイスや、レザー縁取りのヘルメットがよく似合います。マット塗装やブラックアウトパーツ多めのモダンアメリカンには、マットブラックのシンプルなフルフェイスや、ダークトーンのネオクラ系ヘルメットがしっくりきやすいです。
そして、意外と見落とされがちなのが「服装との相性」です。アメカジ系のデニム&レザージャケットが多いならクラシック寄りのヘルメット、テキスタイルジャケットやプロテクター入りジャケットがメインならネオクラ系やスポーツ寄りのヘルメット、というように、普段のスタイルを起点に考えるとブレにくくなります。ヘルメットだけバッチリ決めても、ウエアと雰囲気がかみ合わないと、なぜか全体がチグハグに見えてしまうので、ここも要チェックポイントです。
街乗りメインなのか、夜の高速主体なのか、ツーリング先で写真をよく撮るのか、といった「乗り方」も選び方に影響します。街乗り中心なら、信号待ちやカフェ前での見られ方を意識して、服装とセットでスタイルを固めておくのが大事ですし、ナイトランが多いなら、ヘルメットの反射素材やロゴの視認性も気にして選んでいきたいところです。
アメリカンバイク向けフルフェイス選びの3軸
- シルエット
丸みのあるレトロか、シャープなスポーツ寄りか。車体のライン(ロー&ロングか、アップライトか)に合わせると自然 - カラー
黒・ガンメタ・マット系が合わせやすい鉄板カラー。車体の塗装やメッキ量と「艶の有無」を揃えると統一感が出る - ディテール
レザー縁取り、ビンテージロゴ、リベット、ステッチなど。バイクのカスタムテイスト(クラシック/モダン/ミリタリー)と揃えるのがコツ
フルフェイス以外も含めて、アメリカンバイクに合うヘルメット全体の種類や特徴を整理したい方は、ジェットや半ヘルまでまとめて比較しているアメリカンバイクに合うヘルメットの種類と特徴解説記事もあわせて読んでもらえると、全体像がつかみやすいと思います。ジェットやハーフのメリット・デメリットを把握したうえで、「それでも自分は安全性の高いフルフェイスを選びたい」となれば、今回の内容がよりスッと入ってくるはずです。
ヘルメットの選び方と安全性

スタイルも大事ですが、ヘルメットはあくまで「命を守るための最後の砦」です。アメリカンバイクにおすすめのフルフェイスヘルメットを選ぶときも、まずチェックすべきなのは見た目ではなく、安全規格とフィット感、そして使用環境に合った機能です。ここをおろそかにしてしまうと、万が一の転倒時に本来の性能が発揮できないどころか、首や肩を痛めたり、長距離ツーリングが苦痛になったりします。見た目と同じくらい、いやそれ以上に「中身」を重視して選んでいきましょう。
安全規格は必ずチェックしておきたい基準
日本国内の公道をメインで走るのであれば、PSCマークとSGマーク、もしくはJIS規格をクリアしているかどうかは必ず確認しておきたいポイントです。これらのマークは、「国や認証団体が定めた基準をクリアしています」という証拠であり、極端に言えば“最低限ここまでは守ってくれる”というラインだと思ってもらうと分かりやすいです。
ざっくり整理すると、PSCマークは国の法律(消費生活用製品安全法)に基づく「特定製品」としての安全基準に合格していることを示すマークで、乗車用ヘルメットもその対象になっています。SGマークは製品安全協会が定めた独自基準を満たした製品に付くもので、万が一の事故時の対人賠償制度が紐づいているのが特徴です。JISマークは日本産業規格に適合していることを示し、さらにSNELLやECE、DOTといった海外規格は、それぞれ別の試験方法・基準値で強度や耐貫通性などをチェックしています。
輸入ヘルメットの場合、DOT(アメリカ規格)やECE(ヨーロッパ規格)のみを取得したモデルも多いです。これらも決して「危険」というわけではなく、むしろ厳しいテストをクリアした製品がほとんどですが、日本の保安基準上はPSCマーク付きが基本ラインとされています。通勤や日常の足としてアメリカンに乗るなら、できるだけPSCマーク+SG、あるいはJISマーク付きのヘルメットを選んでおくと安心感が違います。
乗車用ヘルメットがPSCマーク制度の対象になっていることは、経済産業省の公式情報でも明記されています(出典:経済産業省「消費生活用製品安全法とPSCマーク制度」)。一度この手の一次情報源に目を通しておくと、「このマークって本当に意味あるの?」というモヤモヤがかなり解消されるはずです。
注意したいのは、同じブランドでも、モデルによって対応規格が違うという点です。フラッグシップモデルは複数規格を取得していても、廉価モデルは国内規格のみ、といったケースも普通にあります。通販で購入する場合は、ショップの商品説明だけでなく、メーカー公式サイトで「どの規格まで取得しているか」「排気量制限はないか」を必ず確認しておきたいところです。中古や並行輸入品を狙うときは、マークの有無や刻印が削れていないか、ステッカーが貼り替えられていないかなども要チェックです。
フィット感と重量は「快適性+安全性」のセット
アメリカンはポジションが比較的リラックスしているとはいえ、長距離ツーリングに出る機会が多いバイクです。そのため、ヘルメットの被り心地と重量は、快適性だけでなく安全性にも直結します。首や肩が極端に疲れやすいヘルメットだと、ライディングフォームが崩れたり、集中力が切れるのが早くなったりして、結果として危険につながりかねません。
目安としては、フルフェイスなら1,200〜1,400g台のモデルを中心に検討すると、ロングツーリングでもだいぶ楽になります。もちろん、1,500gオーバーでも重心設計やエアロ形状が優れていれば、数字ほど重さを感じない場合もありますが、アメリカンで長距離を走る前提なら、できるだけ軽いモデルの中から自分のスタイルに合うものを探す、くらいの感覚でいてもいいと思います。
フィット感については、基本的に「少しきついかな?」くらいがジャストフィットです。新品の時点で明らかにゆるいと、内装がヘタった瞬間にブカブカになり、前後にヘルメットがズレて視界が狭くなったり、衝撃をうまく受け止められなかったりします。とはいえ、こめかみがズキズキするほどきついのもNGで、その場合はサイズか帽体形状(丸型寄りか卵型寄りか)が合っていない可能性が高いです。
アメリカン乗りの場合、ポマードやワックスでガッチリ固めた髪型、ポニーテールや長髪など、頭周りのおしゃれも含めてこだわる人が多いので、実際にショップで試着して、前髪やサイドの押され具合、耳の収まり、首の後ろのフィット感まで細かくチェックするのがおすすめです。ストラップをきちんと締めた状態で、上から軽く引っ張ってみて、頭皮だけが動いてヘルメットが浮かないかどうかも確認しておくと安心です。
サイズ選びの具体的なステップ
失敗しにくいサイズ選びの流れ
- メジャーで頭囲を測る(眉上あたりを水平にぐるっと一周)
- メーカーのサイズ表で「自分の頭囲が入るサイズ」をまずは選ぶ
- 実際に被って、ストラップをしっかり締めた状態で前後左右に振ってみる
- 圧迫が強い場所(こめかみ・額・後頭部)がないか確認する
- 頬パッドがきついだけなら、オプションパッドの有無もチェック
このステップを踏んだうえで、それでもしっくりこない場合は、サイズを変えるだけでなく、ブランド自体を変えるのもアリです。同じ「Mサイズ」でも、メーカーによってまったくフィット感が違うので、妥協せずにいくつか試してみてください。アメリカンバイクは長時間同じ姿勢で乗ることが多いので、頭のどこか一カ所でも強く当たるポイントがあると、後半で一気にツラくなります。
安全性・法規に関する注意点
- 安全規格や使用可能かどうかは、必ずメーカー公式情報・販売店・各種法令を確認すること
- 重量や価格、対応規格はモデルチェンジや年式によって変わるため、ここでの数値や内容はあくまで一般的な目安であること
- 中古ヘルメットや年式不明のヘルメットは、内部発泡体の劣化状況が分かりにくいため、自己責任で慎重に判断すること
- 最終的な判断に不安がある場合は、用品店スタッフやメーカー問い合わせ窓口など専門家に相談すること
正確な情報は公式サイトをご確認ください。最終的な判断は専門家にご相談ください。
ハーレーにおすすめのフルフェイスモデル

ここからは、ハーレーをはじめとしたアメリカンバイクと相性の良い、フルフェイス寄りのモデルをピックアップしていきます。いわゆる「いかにもアメリカン」なワイルド系から、旧車ハーレーと相性のいいクラシック系まで、それぞれキャラがはっきりしているので、愛車の年式やカスタムテイストと照らし合わせながらチェックしてみてください。同じハーレーでも、スポーツスターとツーリングファミリー、クラブスタイルFXDやFXRでは似合うヘルメットがガラッと変わるので、モデルごとの得意なスタイルをイメージしながら読むのがおすすめです。
ここでは代表的な3モデルを取り上げますが、どれも街で見かける機会が多く、アメリカン乗りの中で「定番」と言っていい存在です。どれも単に見た目がカッコいいだけではなく、ハーレーの乗り味やポジションともうまく噛み合うモデルなので、「とりあえずこのあたりをベンチマークにしておく」と後の選びやすさが全然違ってきますよ。
Simpson BANDIT Pro
Simpson BANDIT Proは、ハーレー乗りの中でも「攻めた雰囲気を出したい人」のど真ん中を突いてくるモデルです。角の立ったチンバーと、横長で細めのアイポートが特徴で、フロントマスクだけで「この人、本気でバイク好きだな」というオーラが出ます。とくにクラブスタイルのダイナ/FXRや、ブラックアウトされたソフテイル、ツーリングモデルとの相性は抜群で、信号待ちでもうしろ姿だけで「BANDIT Proだ」と分かるくらいの存在感があります。
PSC/SG規格対応で全排気量OKという安心感に加え、約1,500g前後という重すぎないバランスの良さもポイント。見た目のボリューム感に対して「思ったより軽い」と感じる人も多く、ハーレーのように振動と鼓動感のあるバイクでも、首への負担をそこまで感じにくいのがうれしいところです。ベンチレーションも適度に装備されているので、街乗りから高速ツーリングまで幅広くカバーできます。
カラーはやはりマットブラック、グロスブラックが鉄板ですが、ブラック塗装のハーレーにマットブラックのBANDIT Proを合わせると、一気に“黒さ”の統一感が出るので、まずはここから狙うのがおすすめです。逆に、クローム多め・キャンディカラー系のタンクには、グロスブラックかホワイト系、シルバー系でコントラストを出してあげると、「ヘルメットだけ真っ黒で重たい印象」になるのを防げます。
実用面では、サングラスやゴーグルとの相性も忘れずにチェックしておきたいところです。BANDIT Proはアイポートが細めなので、大きめレンズのサングラスだとテンプルがシェルに干渉することがあります。普段愛用しているサングラスがあるなら、実際に持ち込んで一緒に試着すると安心です。ナイトランが多いあなたは、クリアシールド+カラーレンズのサングラスを組み合わせる運用も視野に入れておくと、昼夜の使い分けがしやすくなります。
BANDIT Proが特にハマりやすいハーレースタイル
- クラブスタイルカスタムのダイナ/FXR
- ブラックアウトされたソフテイル/ツーリングモデル
- マットブラック多めのストリートボバー系
Simpson M30
Simpson M30は、同じシンプソンでもBANDIT Proと比べて「少し肩の力が抜けた、クラシック寄りのレーシングテイスト」が魅力のモデルです。丸みを帯びたシルエットに、口元のスリット状マウスフレームという組み合わせが、いい意味で「70〜80年代の空気」をまとわせてくれます。ショベルヘッドや初期エボ、キャブ車スポーツスターといった、ちょっと“オイルの匂い”が似合う年代のハーレーに合わせると、一気に世界観が完成する感じがあります。
M30の良さは、「ワルさ」と「クラシック感」のバランスです。BANDIT Proのようなガチガチの攻撃性ではなく、少し丸い雰囲気を残しつつ、それでもシンプソンらしい独特の存在感があるので、「攻めたデザインは好きだけど、あまりにもトゲトゲしい印象は避けたい」というあなたにぴったりです。普段はアメカジ寄りの服装で乗ることが多い人や、旧車ミーティングにもよく顔を出す人には特にハマりやすいと思います。
ウール混の内装は肌触りが柔らかく、遮音性もそこそこ高め。高速道路を長時間走っていても、風切り音が耳に刺さるような印象は少なく、「見た目はクラシックだけど、中身はちゃんと現代ヘルメット」という安心感があります。シールド開閉機構やロゴのデザインもクラシカルで、ガレージに置いておくだけでも絵になる“オブジェ感”があるのもポイントです。
カラーリングはソリッドカラーだけでなく、ストライプやラインが入ったクラシックなグラフィックも豊富なので、車体の年式やタンクデザインに合わせて選びやすいのも魅力。たとえば、オレンジライン入りのM30を、オレンジライン入りタンクのスポーツスターに合わせる、といった「さりげないリンクコーデ」をすると、全体の完成度がぐっと上がります。
M30がハマるハーレーのイメージ
- ショベル/エボ期のクラシックハーレー
- キャブ車スポーツスターの軽快なストリートカスタム
- ヴィンテージテイスト強めの国産アメリカン(ドラスタ、バルカンなど)
BELL STAR II
BELL STAR IIは、「70年代の名作フルフェイスを、現代の道路事情に合わせて蘇らせた」ようなモデルです。丸みのあるコンパクトなシェルに、BELLらしいロゴとグラフィックが載っていて、遠目からでもすぐに「あ、BELLだ」と分かるアイコン性があります。アイポートは当時物よりもやや大きめに設計されているので、視界の広さはしっかり現代基準。見た目のノスタルジーと、実用性のバランスがうまく取れています。
アメリカンバイクと組み合わせると、「昔のレースシーンからストリートに降りてきたライダー」みたいな雰囲気が出るのがSTAR IIの面白いところ。とくに、スポーツスター系やFX系の「ちょっとスポーティに振ったカスタム」との相性が良く、セパハン気味のポジションや、やや低めのハンドルと合わせると、カフェレーサーとアメリカンの中間のような絶妙なスタイルに仕上がります。
内装はあえてクラシックな雰囲気を重視したシンプル構造で、最新スポーツフルフェイスのような超高機能・超静粛という方向性ではありません。その代わり、装備感がゴテゴテせず、シンプルなレザージャケットやデニムスタイルにすっと馴染むのが魅力です。「ヘルメットだけ最新鋭すぎて浮く」という状況を避けたいクラシック派ハーレー乗りには、かなり刺さるモデルだと思います。
グラフィックはシンプルな単色から、オレンジやイエローのラインが入ったヴィンテージレーサー風までさまざま。キャンディカラーのタンクを持つショベルや、70’sテイストのスポーツスターにオレンジライン入りSTAR IIを合わせると、「当時のレース写真をそのまま今に持ってきたような」ムードを再現できます。逆に、ブラックアウトされたモダンハーレーに単色STAR IIを合わせると、良い意味で肩の力が抜けた“大人のアメリカンスタイル”に仕上がります。
STAR IIを選ぶときのちょいコツ
- 「旧車寄りのハーレー」か「クラシック風カスタム」と組み合わせると世界観がまとまりやすい
- 派手グラフィックを選ぶなら、車体側の色味は少し抑えめにするとバランスが取りやすい
- 静粛性よりも「雰囲気重視」で選ぶモデルと割り切ると満足度が高い
この3モデルはどれも「ハーレー乗りの定番」ですが、それぞれ向いているバイクのスタイルやライダー像は微妙に違います。BANDIT Proはクラブスタイルやブラックアウト車でワルくキメたい人向け、M30は旧車寄りのクラシック派、STAR IIは70’sレーサーの香りをまといたいビンテージ志向派、といったイメージで、自分のハーレーのキャラクターと照らし合わせながら候補を絞ってみてください。
レトロフルフェイスでアメリカン映え

「最新レーシングフルフェイスでガチガチに決めるより、ちょっとレトロな雰囲気でアメリカンバイクのクラシカルさを引き立てたい」というニーズはかなり多いです。とくにハーレーやドラッグスター、ボバー系カスタムに乗っていると、タンクやフレームのライン、クロームパーツの雰囲気に合わせて、ヘルメットにも“年式感”や“ヤレ感”を合わせたくなるんですよね。
そんなときに頼りになるのが、レトロフルフェイス系のヘルメットたちです。単純に「古っぽく見える」だけではなく、現代の安全基準や快適性を満たしつつ、当時のレーサーやストリートライダーのムードをうまく取り込んだモデルが多いので、アメリカン乗りとの相性は本当に抜群です。ここでは、その中でもアメリカンバイクとのマッチングが良いと感じている代表的なモデルを、スタイルの違いも含めて紹介していきます。
TT&CO トゥーカッター(TwoCutter)
TT&CO トゥーカッターは、パッと見で「おっ」と目を引く、本革巻き外装が最大の特徴です。ヘルメット全体をレザーで包んだデザインはかなり珍しくて、茶系のタンレザーや赤革とのコンビ、ブラックレザーなど、どれを選んでもアメリカンバイクとの相性は間違いない仕上がりになります。レザーサドルバッグやシート、ツールバッグなんかと並べると、まるで純正でセット販売されているかのような一体感が出るんですよね。
このモデルの面白いところは、「経年変化込みで完成するヘルメット」というところです。新品のときはまだ少し硬さのある光り方をしていても、雨風や日差し、ツーリングで付いた細かい擦り傷が積み重なってくると、だんだんと「自分だけの顔」に育っていきます。レザージャケットやブーツと同じで、多少のキズや色ムラがかえって味になるので、細かいことを気にしすぎないライダーの方が似合うヘルメットですね。
重量は約1,200gとフルフェイスとしてはかなり軽量な部類で、日本人向けの内装形状もあって、被り心地はかなり楽なほうです。アメリカンでロングツーリングに出ても、「頭だけ妙に重い…」という感覚になりにくいので、旅バイクとしてのアメリカンと相性がいいのもポイント。見た目だけの“変わり種”ではなく、実用性もきちんと備えているあたりが、国産ブランドらしいバランスだと思います。
レザーの表面は、やはり雨に濡れっぱなしにするのはNGです。防水スプレーで軽く保護しておいたり、ツーリングから帰ったら柔らかい布で水分やホコリを拭き取ったり、革靴に近い感覚でケアしてあげると長持ちしやすいです。ただ、そのひと手間が逆に愛着を加速させてくれるので、「道具を丁寧に育てるのが好きなあなた」にはたまらない相棒になるはずです。
トゥーカッターが映えるアメリカンスタイル
- サドルバッグやシートにレザーを多用したツーリング系クルーザー
- ボバーやチョッパーなど、鉄と革のコントラストが強いクラシックカスタム
- デニム+レザージャケット+エンジニアブーツなどの王道アメカジコーデ
SHOEI Glamster / EX-ZERO
SHOEI Glamsterは、「ネオクラシック×アメリカン」の組み合わせが好きなあなたに刺さるフルフェイスです。パッと見は70〜80年代のロードレーサーやオフロードヘルメットを思わせるレトロなラインなのに、中身は完全に現代スペックというギャップが良いんですよね。シールド機構やベンチレーション、内装の作り込みはさすがSHOEIで、毎週末のツーリングから年数回のロングツーリングまで、幅広く使い倒せる実力派です。
カラーリングもソリッド系からレトログラフィックまで豊富で、スポーツスターSやローライダーSTのような「現代的なハーレー」に合わせると、バイク側の新しさをちょっとレトロ方向に中和してくれるバランサーとしても機能します。アメリカンだけど、足回りやハンドル周りにモダンなパーツを入れている“ネオクラ寄りカスタム”と特に相性が良く、「クラシックすぎず、スポーティすぎないちょうどいいところ」を狙いたい人にぴったりです。
一方で、SHOEI EX-ZEROは、フルフェイスとジェットの中間のようなポジションにいるモデルです。大きく張り出したチンバーにアルミメッシュのマウス部分、広い開口部という特徴的なルックスで、旧車オフロードの香りを残しつつ、ストリートカスタムとも相性良く馴染んでくれます。アメリカンと合わせるときは、ゴーグルを合わせて「ちょいオフ寄り」に振るか、シンプルなサングラスで“ラフなストリート感”を出すかで、印象がかなり変わってくるのが楽しいところです。
EX-ZEROは視界が広く、顎元がせり出している形状のおかげで、「顔の圧迫感が強いフルフェイスはちょっと苦手…」という人でも使いやすいバランスに仕上がっています。アメリカンでダート寄りツーリングや林道ツーリングを少しだけ楽しみたい人にも向いていて、「普段はオンロード、たまに軽いオフ」というライフスタイルにもマッチしやすいです。
Glamster / EX-ZEROを選ぶときの視点
- スポーツ寄りのネオクラアメリカンやカフェスタイル寄りならGlamster寄り
- オフロードテイストやゴーグル運用、ラフなストリート感を出したいならEX-ZERO寄り
- どちらも「レトロだけど中身は現代」なので、ロングツーリングの快適性も重視したい人に◎
AGV X3000 / Premier Trophy
AGV X3000は、60〜70年代のロードレースヘルメットをモチーフにしたモデルで、無駄のない丸いシルエットとレザー縁取りが特徴です。見た目はかなりシンプルですが、そのぶんどんなアメリカンにも合わせやすく、細身タンクのボバーやドラッグスター系のスリムなカスタムと合わせると、全体がスッと引き締まった大人っぽいスタイルになります。
アジアンフィット内装なので、海外メーカーにありがちな「こめかみ痛い」「前が当たる」といった悩みが出づらいのも嬉しいポイント。フロントの開口部が比較的コンパクトなので、フルフェイスらしい安心感をしっかり残しつつ、昔のレーサールックを楽しめます。カラーも単色、ライン入り、レプリカ系など幅広く用意されていて、タンクの色やピンストライプと細かく合わせ込みたいあなたにも向いています。
Premier Trophyは、カーボンシェルの軽さとクラシックな見た目を組み合わせた、ちょっと通好みなモデルです。換気はかなり控えめですが、その分シェルの風切り音が少なく、アメリカンでの高速クルーズでも「ゴーッ」というノイズに悩まされにくいのが魅力。ゆったりと一定速度で流すことが多いクルーザーとの相性はかなり良いです。
単色カラーモデルを選ぶと、一見かなり地味に感じるかもしれません。ただ、アメリカンの大きなタンクやボリュームのあるフェンダーと並べると、その“地味さ”が絶妙な引き算になってくれることが多いです。クロームパーツやキャンディカラーのタンクが主役のカスタムなら、ヘルメットはPremier Trophyくらいの控えめさがあるほうが、全体として落ち着いた雰囲気に仕上がりやすいですね。
X3000 / Premier Trophyのざっくり棲み分け
- 細身ボバーやドラッグスター系で、シャープにまとめたい → AGV X3000寄り
- 大型クルーザーやツアラーで、静かさと軽さを重視したい → Premier Trophy寄り
- どちらも「主張しすぎないレトロデザイン」なので、車体側のカスタムを主役にしたい人におすすめ
レトロフルフェイスは、単に昔っぽく見せるためのアイテムではなく、アメリカンバイクのスタイルを「完成させる最後のピース」になってくれる存在です。車体の年式やカスタムの方向性、あなた自身の服装やライフスタイルと組み合わせながら、「このバイクとこのヘルメットでガレージに並んでいたらニヤッとしてしまうかどうか」をイメージして選んでみてください。そこまで妄想して選んだヘルメットは、きっと長く付き合える相棒になってくれるはずです。
アメリカンバイクに似合うおすすめブランド

アメリカンバイクにフルフェイスを合わせるとき、まず押さえておきたいのが「どのブランドの世界観が、自分と愛車に一番近いか」という視点です。性能だけ見れば、どのメーカーも一定以上のレベルにありますが、デザインの方向性や被り心地、価格帯、入手性などはかなり違います。ここをざっくり理解しておくと、「候補が多すぎて決められない…」という状態から一気に抜け出しやすくなりますよ。
逆にブランドのキャラクターを知らないと、とりあえず有名どころを適当に選んでしまい、「悪くはないけど、なんかイメージと違う…」となりがちです。そうならないように、ここではアメリカンバイクと特に相性がいいと感じているブランドを、見た目の方向性・乗り味との相性・ライダーのキャラという3つの視点からざっくり整理していきます。
アメリカン向けフルフェイスで覚えておきたい主なブランド
| ブランド | ざっくりしたキャラクター | アメリカンとの相性イメージ |
|---|---|---|
| Simpson | ワイルド・レーシー・「悪そう」な顔 | クラブスタイル、ブラックアウト車、ストリート寄り |
| SHOEI | 安全性と快適性重視のネオクラシック | ロングツーリング派、現代的なハーレー/国産アメリカン |
| BELL | ビンテージレーサー風、ノスタルジック | 旧車ハーレー、70’sテイストのクラシックカスタム |
| AGV | スポーツ寄り・シャープ・レーシー | クラブスタイル、スポーツ寄りクルーザー、高速多め |
| TT&CO | 国産クラシック、レザー&ビンテージデザイン | ボバー、チョッパー、レザー多めのスタイル |
| Premier | 軽量カーボン+上品クラシック | 上質志向のクルーザー、ロングツーリング派 |
ここでのイメージはあくまで目安ですが、「なんとなくの方向性」をつかむにはかなり役立ちます。
Simpson:ワイルド・レーシーな雰囲気を出したいときの定番
Simpsonは、アメリカン乗りの中でも「信号待ちでの存在感をとにかく出したい」「写真を撮ったときに、とがった雰囲気を出したい」というタイプに刺さるブランドです。BANDIT ProやM30のように、チンバーが立っていてアイポートが細い“あの顔”は、一度ハマると他ブランドには戻れないくらいの中毒性があります。
アメリカンとの相性で言うと、クラブスタイルのダイナ/FXR、ブラックアウトされたソフテイル、ストリート寄りに振ったスポーツスターなど、「ワルさ」を演出したいカスタムにはど真ん中。反対に、あまりにも上品なクルーザーや、メッキキラキラのラグジュアリー系とは、良くも悪くもギャップが出るので、そこをどう料理するかが腕の見せどころです。人と被りたくないあなた、写真映えを優先したいあなたには、真っ先に候補に入れてほしいブランドですね。
SHOEI:安全性と快適性を重視したネオクラシック路線
SHOEIは、「長くバイクに乗っていくこと」を前提に考えたときに、かなり頼れるブランドです。GlamsterやEX-ZEROのようなネオクラシックモデルは、見た目こそレトロ寄りですが、中身は最新の安全テクノロジーと快適性が詰め込まれています。メーカー公式でも、衝撃吸収テストや風洞実験など、安全性能に関する情報がしっかり公開されていて、「ちゃんと作っているんだな」と肌感で分かるところも安心材料です(出典:SHOEI公式サイト)。
アメリカンとの相性でいうと、ロングツーリングが多いあなたや、通勤・通学でもガンガン乗るあなたにぴったり。現行ハーレーやネオクラ系国産アメリカンと合わせると、「現代的だけど、どこかクラシック」という絶妙なバランスにまとまります。とくに高速道路をよく使うライダーは、静粛性や風の当たり方、シールドの密閉性など、細かい快適性の差が効いてくるので、SHOEIはかなり有力候補になりますよ。
BELL:ビンテージレーサー風の雰囲気を求める人向け
BELLは、STAR IIをはじめとした「70’sレーサーっぽさ」をまとったヘルメットが多いブランドです。アメリカのレースシーンと縁が深いメーカーなので、クラシックハーレーや当時風カスタムとの相性は抜群。「昔のレース写真から抜け出してきたライダー」みたいな空気を出したいときには、真っ先に思い浮かぶメーカーだと思います。
ショベルや初期エボ、アイアンスポーツなど、古めの年式のハーレーに乗っている人はもちろん、現行車をレトロカスタムしている人にもおすすめ。グラフィック次第で、かなりポップにもシックにも振れるので、「レトロだけどかわいすぎない」「ワイルドだけどやりすぎない」というバランスを取りたいときに、ちょうどいいポジションにいてくれるブランドです。
AGV:スポーツ寄りのシャープなデザインでクラブスタイルにも◎
AGVは、K-6 SやX3000に代表されるように、スポーツ寄りのシャープなデザインが持ち味のブランドです。もともとロードレースのイメージが強いメーカーですが、単色のダークカラーや落ち着いたグラフィックを選べば、アメリカンとも意外なほど自然にマッチします。とくにクラブスタイル系のハーレーや、パフォーマンスクルーザー的な乗り方をするあなたにはかなりハマります。
空力デザインやワイドな視界、内蔵サンバイザーなど、高速走行・長距離走行を意識した機能も充実しているので、「アメリカンだけど走りはわりと本気」というタイプのライダーにぴったり。高速道路やワインディングをガンガン楽しむスタイルなら、AGVは候補に入れておいて損はないブランドです。
TT&CO:国産クラシック系でレザーやビンテージ系デザインが豊富
TT&COは、トゥーカッターをはじめとしたクラシック志向のヘルメットが豊富な国産ブランドです。レザー巻きシェルや、60〜70年代テイストのシェル形状、シンプルなロゴデザインなど、「古き良きアメリカンカルチャー」が好きな人に刺さるディテールが満載。ボバーやチョッパー、シートやバッグにレザーを多用したクルーザーとの相性は文句なしです。
国産ブランドだけあって、日本人向けの被り心地やサイズ展開も手堅く、「クラシックな見た目だけど、かぶるとラク」という絶妙な仕上がりになっているモデルが多いのも魅力。人と被りづらく、なおかつ自分のアメリカンとの世界観をしっかり作り込みたいあなたには、かなりおすすめのブランドです。
Premier:軽量カーボン+クラシックデザインで上品路線
Premierは、カーボンシェルの軽さとクラシカルなデザインを組み合わせた、「大人のアメリカン乗り」に似合うブランドです。Trophyのように、換気は控えめだけれど風切り音が少なく、走行中の静かさや被り心地を重視したモデルが多いのが特徴。ロングツーリングが多いライダーには、この「軽さ×静かさ」の組み合わせがかなり効いてきます。
見た目はどちらかと言えば控えめで、単体で見ると「ちょっと地味かな?」と感じるかもしれません。でも、メッキパーツ多めのツアラーや、大きなカウル付きのクルーザーと並べると、その控えめなデザインがむしろバランスを取ってくれます。ラグジュアリー寄りのハーレーや、上品に作り込んだクルーザーに乗っているあなたには、Premierの“静かな存在感”がしっくり来ると思います。
たとえば、「とにかく人と被りたくない・キャラを立てたい」ならSimpsonやTT&CO、「ロングツーリングでの疲れにくさ最重視」ならSHOEIやPremier、「走りのイメージを強めたい・スポーツ寄りが好き」ならBELLやAGVという感じで、まずブランド単位で方向性を決めてしまうと、そのあと個別モデルを選ぶのが一気に楽になります。
このあたりから候補を絞っていくと、「アメリカンバイクに似合うヘルメット」の中でもフルフェイスに的を絞りやすくなります。カフェレーサー寄りのスタイルも気になるあなたは、同じくフルフェイスをテーマにしたカフェレーサーに似合うフルフェイスヘルメット解説記事も参考になると思います。アメリカンとカフェレーサーの両方に通じるデザインの傾向が見えてくると、ヘルメット選びの視野が一気に広がりますよ。
アメリカンバイクにおすすめのフルフェイスヘルメット比較

ここからは、具体的なモデル比較に踏み込んでいきます。アメリカンバイクにおすすめのフルフェイスヘルメット10モデルを、私なりの視点でランキング形式にまとめつつ、「ダサい論」の本音や、雨・風・ツーリング適性まで掘り下げます。あくまで私の経験と好みをベースにしたランキングですが、「なぜその順位なのか」という理由も合わせて書いていくので、あなた自身の優先順位と照らし合わせながら読んでもらえればと思います。
- アメリカンバイクに合わせやすいフルフェイス人気ランキング
- アメリカンスタイルにフルフェイスはダサい論を徹底深掘り
- 雨風に強いアメリカン向けフルフェイス
- ロングツーリング向けアメリカンヘルメット
- アメリカンバイクにおすすめフルフェイスヘルメットまとめ
アメリカンバイクに合わせやすいフルフェイス人気ランキング

ここでは、アメリカンバイクに合わせやすいフルフェイスヘルメット10モデルを、「アメリカンとの見た目の相性」と「実用面の総合バランス」を軸にランキング形式でまとめています。とはいえ、順位はあくまで「私ならこう選ぶ」という目安なので、「1位だから絶対正解」というよりは、「自分のスタイルに近いモデルを探すための地図」くらいの感覚で見てもらえるとちょうどいいです。
アメリカンバイクと一口に言っても、クラブスタイル、ボバー、ツアラー、ネオクラ系などスタイルはさまざまですし、街乗りメインなのかロングツーリング寄りなのかでも、ベストなヘルメットは変わってきます。なので、まずはざっとランキング全体を眺めて「このあたりが自分っぽいな」と感じるゾーンを見つけてから、そこに含まれるモデルを深掘りしていくのがおすすめです。
タイプ別のざっくり順位イメージ
今回の10モデルは、だいたい次のようなグループ分けで考えています。
順位グループごとのざっくり特徴
- 1〜3位:アメリカンらしさとヘルメットの存在感がどちらも強い「キャラ立ち系」モデル
- 4〜7位:快適性やスポーツ寄りの走りにも対応できる「実用バランス系」モデル
- 8〜10位:上品さ・静粛性・特定カスタムとの相性を重視した「こだわり系」モデル
たとえば「見た目のインパクト最優先!」なら1〜3位から、「高速道路をよく使うツーリング派」なら4〜7位から、「大人っぽい上質なスタイルでまとめたい」なら8〜10位から、といった感じで、自分の優先順位に合わせて見ると選びやすくなります。
アメリカン向けフルフェイス10モデル一覧
それぞれのモデルがどんなポジションなのか、まずは一行コメントでざっくり整理しておきます。
1.Simpson BANDIT Pro
ワルさと安全性のバランスが良く、アメリカンらしさ全開なのに、フルフェイスでも重たく見えにくい人気モデル。
2.Simpson M30
ショベルや旧車アメリカンと組み合わせたい、クラシックなレーシングフェイスが魅力のシンプソン系定番。
3.TT&CO トゥーカッター
本革巻きシェルの唯一無二な存在感で、レザーを多用したアメリカンカスタムとの相性が抜群。
4.SHOEI Glamster
ネオクラシック系やスポーティなアメリカンにぴったりで、快適性とデザイン性のバランスが非常に高いモデル。
5.SHOEI EX-ZERO
オフロードテイストを少し混ぜたい人向けのフルフェイス寄りモデル。広い視界と軽い被り心地でツーリングに強い。
6.BELL STAR II
70年代レーサーテイストを取り入れたい人向けで、クラシックハーレーとの組み合わせがとくに映えるクラシカルモデル。
7.AGV K-6 S
高速走行が多いクラブスタイル系アメリカンにマッチする、スポーツツーリング寄りの本格フルフェイス。
8.AGV X3000
シンプルで上品なレトロルックが持ち味で、ボバーやドラッグスター系のスリムなカスタムとも相性◎。
9.Scorpion EXO-Combat
ミリタリー系カスタムやストリートファイター寄りのアメリカンに似合う、3in1構造のミリタリーテイストモデル。
10.Premier Trophy
静かな被り心地と軽さを求めるロングツーリング派向けで、上質なクラシックカスタムにしっくり馴染む大人ヘルメット。
10モデル比較表(スペックはおおよその目安)
| モデル名 | 安全規格 | 重量(目安) | 換気・通気 | 内装・快適性 | デザインの特徴 | おすすめスタイル |
|---|---|---|---|---|---|---|
| Simpson BANDIT Pro | PSC / SG | 約1500g前後 | 複数ベンチレーション | 日本人向け内装で静音性高め | 角ばったアグレッシブなフォルム | アグレッシブなクラシックアメリカン |
| Simpson M30 | PSC / SG | 約1500〜1600g | 口元スリットで通気 | ウール混内装で落ち着いた被り心地 | 丸型クラシカルデザイン | ヴィンテージカフェレーサー/アメリカン |
| TT&CO TwoCutter | PSC / SG + DOT | 約1200g | クラシック寄りの控えめな換気 | 日本人頭型&軽量で快適 | 本革巻きヴィンテージ仕上げ | レトロ・クラシックバイク |
| SHOEI Glamster | JIS | 約1290g | 複数ベンチレーション | 吸汗速乾インナー&Pinlock対応 | ダックテール気味のネオクラ顔 | ネオクラシック/カフェレーサー |
| SHOEI EX-ZERO | JIS | 約1140〜1280g | 大口エアインテーク+排気口 | 柔らか内装でメガネ対応 | 70’sオフロード風シルエット | クラシカルオフロード/アメリカン |
| BELL STAR II | SG | 約1300〜1500g | 小型ベンチレーション | シンプル発泡ライナー | 1970年代復刻グラフィック | クラシックハーレー |
| AGV K-6 S | ECE / DOT | 約1420g | 大型エアインテーク | ドライレザー内装 | シャープなスポーツデザイン | モダンクルーザー/スポーツ寄り |
| AGV X3000 | SG | 約1300g前後 | 控えめな小型ベンチレーション | 起毛アジアンフィット内装 | レザー縁取りのレトロ顔 | ビンテージレーサー/アメリカン |
| Scorpion EXO-Combat | DOT | 約1500〜1600g | 額・顎の大口ダクト | 厚手ライナーで保温性高め | ミリタリーテイスト3in1構造 | ミリタリー/ストリートカスタム |
| Premier Trophy | ECE | 約1220g | ほぼ換気なし(静粛性重視) | アルカンターラ内装で上質 | シンプルなカーボン製スポーツ | 上質なクラシックカスタム |
ここでの重量や仕様は、あくまで一般的な目安です。実際の数値や最新仕様は、必ずメーカー公式サイトや販売店で確認してください。
ランキングを自分用にカスタムするコツ
最後に、このランキングを「あなた専用の答え」に近づけるための見方をまとめておきます。ポイントはシンプルで、「何を一番重視するか」をはっきりさせることです。
優先順位別・どのゾーンから選ぶか
- 見た目のインパクト重視 → 1〜3位ゾーン(Simpson、TT&CO)
- ロングツーリングや通勤など実用重視 → 4〜7位ゾーン(SHOEI、AGVあたり)
- 特定のカスタムスタイルや上品さ重視 → 8〜10位ゾーン(AGV X3000、Scorpion、Premier)
アメリカンバイクに合わせるフルフェイス選びは、「絶対の正解」がある世界ではありません。あなたのバイクのキャラクター、走り方、好きなファッションを全部ひっくるめて、「この組み合わせが一番しっくりくるな」と感じる一個を探す作業です。このランキングが、その第一歩として役に立ってくれたらうれしいです。
アメリカンスタイルにフルフェイスはダサい論を徹底深掘り

アメリカンバイク界隈でときどき出てくるのが、「アメリカンにフルフェイスはダサいんじゃない?」という話題です。ツーリング先のPAやSNSのコメントでも、たまにこのニュアンスを見かけますよね。ただ、私の感覚としては、フルフェイスそのものがダサいのではなく、「組み合わせ方がちぐはぐだとダサく見えやすい」だけなんですよね。逆に言えば、デザインとサイズ感、テイストの方向性さえ合っていれば、フルフェイスはむしろ今っぽくてスマートな選択肢です。
そもそも「ダサい論」が生まれた背景
まず押さえておきたいのが、「なぜフルフェイス=ダサい」というイメージが一部で残っているのか、という点です。ざっくり言うと、以下のような背景が絡んでいます。
フルフェイス=ダサいと感じられやすい背景
- 昔のアメリカン乗りの象徴が、半キャップやジェットヘルだった(映画・雑誌の影響)
- 一昔前のフルフェイスは、レーシンググラフィック全開のモデルが主流だった
- 「顔が見える=ワイルド」「顔が隠れる=スポーツ寄り」というざっくりしたイメージが定着していた
つまり、「アメリカン=顔が見えるヘルメット」「フルフェイス=サーキット」という古いイメージが、そのまま頭の中に残っているパターンが多いんです。実際には、今はクラシック寄りのフルフェイスや、アメリカンと相性のいいネオクラ系モデルがどんどん増えていて、ヘルメットの選択肢だけが昔のイメージに縛られている状態になっていることも少なくありません。
本当にダサく見えてしまうパターンとは?
じゃあどんなときに「うーん、ちょっとちぐはぐかな…」と感じやすいのか。代表的なパターンを整理してみると、だいたい次のような組み合わせに集約されます。
- クラシック寄りのアメリカンに、蛍光カラーや派手なレーシンググラフィックのフルフェイスを合わせてしまう
- 車体が大きくて重厚なのに、ヘルメットだけ極端に小ぶりで、頭だけおもちゃのように見えてしまう
- アメカジ系のレザージャケット&エンジニアブーツなのに、ヘルメットだけ最新サーキット用レーサーの雰囲気になっている
共通しているのは、「バイク」「ヘルメット」「ウエア」のテイストがバラバラで、全体としてのストーリーがつながっていないということです。逆に、色とシルエット、時代感の方向性さえ揃っていれば、フルフェイスでも自然とカッコよく見えてきます。
ダサく見せないための3つのポイント
「じゃあ、どうすればダサく見えないの?」というところが一番気になる部分だと思うので、アメリカン×フルフェイスで押さえておきたいポイントを3つに絞ってみます。
フルフェイスをカッコよく合わせる3原則
- 色数を絞る
ヘルメットの色は「1〜2色+ロゴ」くらいに抑えると、大人っぽくまとまりやすい - テイストを揃える
バイクがクラシックならヘルメットもレトロ寄り、バイクがネオクラならヘルメットもネオクラ寄りに - ボリュームバランス
大きく重厚な車体には、ある程度存在感のあるシェルサイズを選ぶ
たとえば、ブラックアウトされたクラブスタイルのハーレーに乗っているなら、マットブラックのフルフェイスで「黒×黒」にまとめるだけで、一気に統一感が出ますし、ショベル系のクラシックハーレーなら、アイボリーやオフホワイト系のレトロフルフェイスを合わせると、「当時物っぽさ」と「今の安全性」を両立させたスタイルになります。
フルフェイスでも“アメリカンらしさ”を出すコツ
フルフェイスにした途端に“レーシング感”が強くなりすぎるのがイヤ…という場合は、次のようなポイントを意識すると、アメリカンらしさを残したままフルフェイスを取り入れやすくなります。
- マットブラック・ガンメタ・ダークグリーンなどの落ち着いた色を選ぶ
- 丸みのあるシルエットや、レトロな口元デザインのモデルを選ぶ(EX-ZERO、X3000、STAR II系のイメージ)
- レザーグローブやブーツとの質感を揃える(レザー巻きシェルやレザー縁取りがあるモデルならなお良し)
- ウエアにもワンポイントでフルフェイスの色を拾う(パーカーやキャップのロゴカラーを合わせるなど)
このあたりを意識するだけで、「フルフェイス=スポーツバイク用」というイメージから、「アメリカンスタイルの一部」としてスッと溶け込むようになります。とくに、色数を抑えて質感を揃えるだけでも、印象はかなり変わりますよ。
それでも不安な人向けのステップアップ戦略
「頭では分かるけど、いきなり派手なフルフェイスに行くのはやっぱり不安…」というあなたには、段階を踏んだ選び方がおすすめです。
フルフェイスデビューのおすすめステップ
- マットブラック or シンプルなグロスブラックのフルフェイスを選ぶ
- 慣れてきたら、サイドに細いストライプやワンポイントロゴが入ったモデルを試す
- 自分のスタイルが固まってきたら、クラシックグラフィックや限定カラーにチャレンジ
最初から「一発で完成形を狙う」とハードルが上がりすぎますが、まずは“外しにくい黒”から始めて、徐々に好みを広げていくくらいの感覚なら、かなり気楽にフルフェイスデビューできるはずです。実際、マットブラックのフルフェイスは、どんなアメリカン・どんな服装にも合わせやすいので、一本持っておくと後悔しにくい鉄板選択肢だと思います。
結論:ダサいのは「フルフェイス」ではなく「ミスマッチ」
最終的な結論としては、「アメリカンにフルフェイスはダサい」というより、「アメリカンのテイストと合っていないフルフェイスの選び方をするとダサく見えやすい」というだけです。安全性のことを考えると、フルフェイスを選ぶのはむしろ理にかなった選択ですし、今はアメリカンバイクに似合うデザインのフルフェイスも本当に増えています。
なので、「ダサいと言われそうだから」とフルフェイスを避けるのではなく、自分のバイク・ウエア・ライフスタイルに合った一個をじっくり探す方向に頭を切り替えてみてほしいなと思います。安全性もスタイルも妥協しない、今っぽいアメリカンライダーの形は、フルフェイスでも余裕で作れますよ。
雨風に強いアメリカン向けフルフェイス

雨の日や高速道路での長距離移動が多いあなたには、風切り音の少なさと防風・防雨性能に強いアメリカンバイク向けフルフェイスヘルメットをぜひ押さえておいてほしいです。アメリカンはアップハンドルで上体が起きているポジションが多く、前傾ポジションのスポーツバイクと比べて、走行風を真正面から受けやすいバイクなんですよね。そのぶん、ヘルメットの空力性能やシールドの密閉性、首元から入り込む風の量が、快適性にダイレクトに影響してきます。
とくに長距離ツーリングや高速道路メインで走るとき、「風切り音がうるさくて疲れる」「首が振られて肩がパンパン」「雨粒がシールドの隙間から入り込んでくる」みたいなストレスは、積み重なるとかなりの疲労要因になります。逆に、風の当たり方がマイルドで、シールドやネックまわりの密閉性が高いヘルメットに変えるだけで、「同じ距離を走っているのに、終わったときの疲れ方が全然違う」というのを体感しやすいです。
AGV K-6 Sのようなスポーツツーリング系がアメリカンに効く理由
AGV K-6 Sのようなスポーツツーリング系フルフェイスは、「スポーツ寄りなのにアメリカンにもちゃんと効くヘルメット」の代表格です。空力デザインされたシェルに一体型スポイラーを組み合わせることで、頭部の上を風がスムーズに流れるように設計されていて、ヘルメットが風に煽られて左右に振られる感覚がかなり抑えられます。重めのアメリカンで高速巡航するとき、ここは本当にありがたいポイントです。
また、巻き込み風や乱流を減らすデザインになっているので、風切り音も比較的マイルド。もちろん、「完全に無音」ということはありませんが、同じスピードで走っても、音の質が低くて耳に刺さりにくいので、長時間乗ったあとの疲れ方が変わってきます。内蔵サンバイザー付きのモデルなら、夕方の西日やトンネル出口のまぶしさにも、レバーひとつでサッと対応できるのも大きなメリットです。アメリカンはスクリーンなしで乗る人も多いので、目の負担を減らす意味でもかなり優秀な装備ですよ。
Simpson BANDIT Pro / Premier Trophyの「静けさ」と「防風性能」
Simpson BANDIT ProやPremier Trophyのようなモデルは、シールドの密閉性とシェル形状の工夫によって、風切り音の少なさと防風性能を両立させているタイプです。BANDIT Proは、フロントマスクこそワイルドですが、実はシールド周りの当たり方がしっかりしていて、きちんと閉めていれば隙間風が入りにくい構造になっています。ベンチレーションの開け閉めで調整しやすいので、真夏はしっかり風を入れつつ、冬場や雨の日は締め切って防風・防雨重視に、といった使い分けがしやすいのもポイントです。
Premier Trophyは、換気ダクトが極めて控えめなぶん、シェル全体の密閉感と静粛性に振っているモデルです。走行風が直接ヘルメット内部に入ってこないため、風切り音はかなり少ない部類で、アメリカンでの「ゆったり高速クルーズ」と相性が良いタイプ。カーボンシェルなら重量も軽く、長時間かぶっていても首まわりの疲労が少なく感じやすいです。春〜秋メインで使うロングツーリングヘルメットとして考えると、かなりフィットしやすい選択肢だと思います。
雨風に強いフルフェイスを選ぶときのチェックポイント
「スペック表だけ見てもよく分からない…」となりがちな雨風性能ですが、実際に選ぶときは次のようなポイントをチェックしておくと失敗しにくいです。
雨風に強いフルフェイスを見極めるチェックリスト
- シールドの密閉性
シールドを閉じたときに、ゴムモールとしっかり接触しているか、ロック機構があるかどうか - ベンチレーションの数と位置
額・頭頂部・アゴ部分など、風を入れたい場所と排気したい場所にちゃんと配置されているか - 風切り音の少なさ
レビューや実際に被った人の感想で、「静か」「高回転でうるさい」などの傾向をチェック - ネックカバー/チンカーテンの有無
首元やアゴ下からの風や雨の入り込みを防ぐパーツが付属・オプションで用意されているか - シールドの開閉段数
少しだけ開けて曇りを逃がすポジションがあると、雨天時の視界確保がしやすい
とくにアメリカンの場合、スクリーンなしで乗るスタイルだと、首元からの巻き込み風がかなり強くなります。ネックカバーやチンカーテンの有無は軽視されがちですが、あるだけで「冬の高速が別物になる」と言ってもいいくらい体感が変わるので、ここもチェックしておくといいですよ。
シールド・ベンチレーション使用時の注意
雨天・高速走行で気をつけたいポイント
- 曇り止め対策
シールドの曇り止め性能は、ピンロックシート標準装備かどうか、別売り対応かどうかで大きく変わります。ピンロック非対応の場合は、曇り止めスプレーやジェルを併用する前提で考えておくと安心です。 - ベンチレーションの開けっぱなし
雨天時にベンチレーションを全開にしていると、モデルによってはそこから雨水が侵入することがあります。雨が本格的に降ってきたら、一度どの位置を閉じるか試してみて、自分なりの「雨セッティング」を見つけておくといいです。 - 使用条件による体感差
同じヘルメットでも、バイクのスクリーンの有無や身長、乗車姿勢によって、風の当たり方や音の感じ方はかなり変わります。可能なら試乗会やレンタルヘルメットを活用して、「自分のアメリカン+自分の体格」で一度試してみると失敗しにくいです。
ここで紹介している特徴や傾向は、あくまで一般的な目安です。正確な仕様や対応オプションは必ず各メーカーの公式情報や販売店で確認し、最終的な判断に不安がある場合は用品店スタッフなど専門家に相談するようにしてください。
雨風に強いアメリカン向けフルフェイスをしっかり選んでおくと、「悪天候の日はバイクが憂うつ」から「ちょっとした雨なら全然平気」に変わります。安全性だけでなく、快適さや疲労度も含めてトータルで見て、自分の走り方に合った一個をじっくり探してみてください。
ロングツーリング向けアメリカンヘルメット

アメリカンバイクでロングツーリングを楽しみたいなら、まず意識したいのが「軽さ」「フィット感」「静粛性」の3つです。どれも地味に聞こえるかもしれませんが、200km、300kmと距離が伸びるほど、この3要素の差がそのまま「まだ走れるか」「もう限界か」の分かれ目になってきます。高速道路を数時間走ったあとに、「なぜか首だけ異様に疲れる」「頭の中がキーンとする」みたいな感覚があるなら、ヘルメットがツーリング向きではない可能性が高いです。
目安としては、1,200〜1,350g台くらいの軽量シェルで、耳周りに適度な余裕があり、風切り音を抑えたシールド設計を持つモデルがロングツーリング向きになってきます。これに加えて、頬パッドの当たり方や、頭頂部の圧迫感、首の付け根(後頭部下側)の支え具合も重要です。長時間かぶると、小さな違和感が何十倍にも膨れ上がるので、「ちょっとキツい」「ちょっと緩い」を放置しないことが大事なんですよね。
軽さとクラシック感を両立したモデル
具体的なモデルでいうと、TT&CO トゥーカッターやPremier Trophyは、軽さとクラシックな雰囲気を両立したタイプです。どちらも見た目はかなりレトロ寄りですが、被ったときの「頭の軽さ」はツーリング派には本当にありがたいポイント。信号待ちでヘルメットを支えている首の負担や、駐車場での取り回し時に感じるだるさが、軽量モデルに変えただけでふっと軽くなる感覚があると思います。
とくにトゥーカッターは約1,200gクラスとかなり軽量で、日本人向けの内装形状もあって、被り始めから「これは長時間かぶれるな」と感じやすいモデルです。レザー外装のおかげで、アメリカンらしいクラシック感もばっちりキープできるので、「ツーリングで楽したいけど、雰囲気は崩したくない」というあなたにぴったりです。Premier Trophyは、カーボンシェルの軽さと上品なクラシックデザインが魅力で、上質なクルーザーとの組み合わせで真価を発揮してくれます。
フィット感と風の抜けで長時間かぶってもラクなモデル
SHOEI GlamsterやSHOEI EX-ZEROは、内装のフィット感と風の抜けの良さで「長時間かぶっても疲れにくい」モデルの代表格です。日本メーカーらしく、頬のホールド感や頭頂部の支え方がとても自然で、変な一点圧迫が出にくいのが特徴。ロングツーリング中に「どこか1点だけ痛くて気になる」というのはかなりストレスなので、ここを潰してくれるのは本当に大きいです。
Glamsterは、ネオクラ寄りのフルフェイスとして、ほどよいベンチレーションと静粛性のバランスが取れていて、高速クルーズでも街乗りでも扱いやすいタイプ。EX-ZEROは、広い視界と軽い被り心地が魅力で、「顔まわりの圧迫感が苦手」というあなたにも向いています。どちらもアメリカンとの見た目の相性が良く、「ツーリング用途を意識したフルフェイス」として安心して候補に入れられる存在ですね。
ロングツーリング用ヘルメット選びのチェックポイント
ロングツーリング前提でフルフェイスを選ぶときは、スペック表だけでは分からない大事なポイントがいくつかあります。ざっと整理すると、こんな感じです。
ロングツーリング向けヘルメットのチェックリスト
- 重量
できれば1,200〜1,350g台を目安に。1,400gを超える場合は、首の強さや走行時間と相談 - フィット感
頬・こめかみ・頭頂部のどこか1点だけ極端に痛くならないか(試着で最低数分はかぶってみる) - 静粛性
完全な静寂は無理でも、「耳に刺さる高音」が少ないかどうかをレビューなどで確認 - インカムの取り付けやすさ
スピーカー用の窪みがあるか、配線ルートを隠しやすいか - 内装の着脱性
フル脱着できるか、汗をかいたあとに洗いやすいか
とくにインカムの取り付けやすさは、ロングツーリング派なら見逃せないポイントです。アメリカンで長距離を走ると、仲間との会話やナビ音声、音楽を聞きながら走る場面がかなり多くなります。スピーカーがしっかり収まる窪みがあるかどうか、ケーブルを内装の隙間にきれいに通せるかどうかを事前にチェックしておくと、あとから「あ、このヘルメット、インカム付けづらかった…」とガッカリしなくて済みます。
ポジションと休憩も含めた「総合疲労マネジメント」
ロングツーリングの疲労は、もちろんヘルメットだけで決まるものではありません。「シート・ステップ・ハンドル」の三角形で決まるライディングポジションが体に合っているかどうかも、首や肩の疲れ方に大きく影響します。前傾がきつすぎると首を持ち上げる筋肉に負担がかかりますし、逆に上体が起きすぎていると、風を真正面から受けて首に負荷が集中しやすくなります。
なので、もしロングツーリング後に「いつも同じ場所が痛くなる」という自覚があるなら、ヘルメットの見直しと同時に、ハンドル位置やシート形状、ステップ位置も少しずつ調整していくと、全体の快適性が一気に底上げされます。アメリカンバイクの乗り心地や疲労対策については、別でまとめているアメリカンバイクの乗り心地解説記事もあわせて読んでもらえると、全体の快適性を底上げしやすいはずです。ポジションを見直しつつ、軽量で静かなフルフェイスに切り替えると、同じ距離を走っても「今日はまだまだ行けるな」と感じられることが本当に増えてきますよ。
ロングツーリング向けのアメリカンヘルメット選びは、単に「スペックの高いものを買う」という話ではなく、あなたの体力・走り方・バイクのポジションに合わせて、総合的に疲れを減らしていくための道具選びです。何本かツーリングを重ねながら、「この組み合わせが一番ラクだな」というバランスを探していくイメージで、ヘルメットもポジションも少しずつ調整してみてください。
アメリカンバイクにおすすめフルフェイスヘルメットまとめ

最後に、アメリカンバイクにおすすめのフルフェイスヘルメット選びで押さえておきたいポイントを、あらためて整理しておきます。ここさえ頭に入っていれば、用品店でもネットショップでも、「種類が多すぎてよく分からない…」という状態からかなり解放されるはずです。細かいスペック表を見る前に、まずはこのまとめをベースに「自分は何を優先するのか」をざっくり決めておくイメージですね。
アメリカンバイクにおすすめのフルフェイスヘルメット選びの要点
- バイクのスタイルとシルエットを揃える(クラシック寄りか、スポーツ寄りかを最初に決める)
- PSC・SG・JISなどの安全規格を確認し、日常の使い方(通勤・ツーリング・高速中心など)に合ったモデルを選ぶ
- 長距離ツーリングを意識するなら、重量とフィット感、風切り音の少なさを優先してチェックする
- Simpson・SHOEI・BELL・AGV・TT&CO・Premierなど、ブランドごとのキャラや得意分野をざっくり理解してから絞り込む
大事なのは、「アメリカンバイクに似合うかどうか」と「自分の使い方に合うかどうか」をセットで考えることです。見た目だけで選ぶとロングツーリングで首がやられますし、スペックだけで選ぶと「なんかバイクと雰囲気が合わない…」となりがちです。アメリカンはバイクそのものの存在感が強いので、ヘルメットのシルエットやカラーがちょっとズレただけでも、全体の印象が大きく変わります。
逆に言えば、シルエット・色・安全性・快適性の4つが自分のスタイルにハマった瞬間、バイクもライダーも一気に“完成形”に近づくんですよね。フルフェイスヘルメットは、アメリカンバイクでも決してダサいどころか、選び方さえ間違えなければ「スタイルと安全性を両立させた、今っぽいアメリカンライダー」を作ってくれる強力なアイテムです。
ヘルメットを変える=一番手軽で効果の大きいカスタム
「最近、愛車の見た目にちょっと見慣れてきたな…」と感じているなら、ヘルメットの刷新はかなりコスパのいいカスタムです。マフラーや外装を変えるのももちろん楽しいですが、ライダーの“顔”そのものを決めるヘルメットを変えると、写真や街中での印象がガラッと変わります。特にアメリカンは、停車時や駐輪時の「佇まい」が重要なので、そこにフルフェイスのデザインがしっかりハマると、思わずニヤッとしてしまうはずです。
スタイル面だけでなく、安全性の観点でも、フルフェイスへの切り替えは大きな意味があります。顔まわりの保護範囲が広がることで、万が一の転倒時のリスクを減らせる可能性が高くなりますし、雨・風・虫・飛び石といった外的要因からも守られやすくなるので、結果的に「走る日の選択肢」が増えます。安全性が上がると、精神的な安心感も増えるので、ライディング自体がより純粋に楽しめるようになるのも、フルフェイスの大きなメリットです。
次の一歩を決めるためのヒント
このあとは、この記事で紹介した各モデルの中から、「自分のアメリカンに一番近いスタイル」と「自分の走り方」に合いそうな候補を2〜3個ピックアップして、実際に試着していく流れがおすすめです。可能であれば、いつも使っているグローブやサングラス、インカム本体などもショップに持ち込んで、装着状態まで含めてチェックしてみてください。フルフェイスは、カタログの写真だけでは分からない「被ったときのバランス」や「顔つきの変わり方」が大きいので、ここは妥協しないほうがいいところです。
もしオフロード寄りのスタイルや、もっとラフな普段着ライクな装備にも興味があるなら、街乗り向けオフロードヘルメットをまとめたオフロードヘルメット解説記事も目を通してみてください。オン・オフ両方の視点を持てるようになると、「フルフェイス=スポーツバイク用」という固定観念がいい意味で崩れてきて、あなたにとっての「ちょうどいいフルフェイス」のイメージがかなりクリアになってくるはずです。
スペック情報と選び方に関する注意点
- この記事で紹介しているモデル名・重量・安全規格などは、すべて一般的な目安として捉えてください
- モデルチェンジやマイナーチェンジで仕様が変わることも多いため、購入前には必ずメーカー公式サイトや販売店で最新情報を確認してください
- 安全性や適合規格、サイズ選びに不安がある場合は、用品店スタッフなど専門家に相談することを強くおすすめします
正確な情報や最新の仕様は必ず公式な情報源で確認し、最終的な判断は専門家に相談するようにしてください。
あなたのアメリカンバイクにぴったりのフルフェイスヘルメットが見つかれば、バイクライフは間違いなく一段階レベルアップします。見た目も走りも、安全性も快適性も、全部ひっくるめて「この組み合わせが一番好きだ」と胸を張って言える一個を、じっくり探してみてください。そのプロセス自体も含めて、アメリカンバイクの楽しさだと私は思っています。

